C-Pro シープロ海外公演事務局
Concert-Projects Intercultural Events Coordination
アムステルダム・コンセルトヘボウ
Het Concertgebouw Amsterdam
運河の街として知られるアムステルダムの中でも、特別に芸術の香りが漂うミュージアム広場近くの閑静な環境に、1888年に建てられた由緒ある白亜の建物が、世界3大ホールとして最高峰の音響を誇るコンサートホール、アムステルダム・コンセルトヘボウです。
オランダ最高の芸術の崇高さから発せられる、威厳を感じさせるロビーには、真紅の絨緞が敷き詰められ、天井や壁、柱などにも、歴史の長さを感じさせる雰囲気が満ちています。
かつて、ベルナルド・ハイティンクがコンセルトヘボウをして、「オーケストラに属する最高の楽器」と称したことは広く知られています。
その音響の美しさは「緻密な計算による偶然」が導いた奇跡といわれており、まだ音響学の発展が途上だった19世紀が生んだこのホールでは、いかなる修復が行われる際も、素材の選択を含めて最小限に抑えるようにされています。
それはとりもなおさず、現代の科学と音響学の発展にも関わらず、この音響の美しさを再現することが不可能であることを示しているのです。
世界で3本の指に入ると称されるロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団は、ここを本拠地とし、約30の海外公演を含め、年間120ものコンサートをこなしている、「ベルベットの弦」「黄金の管」を持つ最高峰オーケストラです。
現在は、オランダ国が認める文化遺産として財政的な援助を受け、安定した運営がなされていますが、1881年に構想が生まれた当時は、市民から資本を募り十分とは言えない予算の中で建設が始められた歴史があります。叡智と苦悩の結果として当初の予定よりも少しだけサイズダウンし、1886年に建物は完成。しかし土台の安全性に不安が残り、こけら落としのコンサートが行われたのは、1888年4月11日まで待つことになります。
その後、1983年にはもともとの土地の弱さに加え、低予算での土台作りが響き、ホールが傾き始めていることが認められますが、なんとホールでのコンサート予定を途絶えさせず、ホールを継続使用しながら土台工事を行い、かつチケット売り場とロビーホールの大拡張を行いガラスを多用したデザインで、元の建物と見事に調和させた新しい顔、現在の顔が出来上がったのです。