C-Pro シープロ海外公演事務局

Concert-Projects Intercultural Events Coordination

ザルツブルク大聖堂

Salzburgerdom

 

最初のドーム(Dom)は774前期ロマネスク建築によりメンヒスベルクの山裾に創設されたもので、司教聖ヴィルギリウスが大聖堂を献堂し、そののちの図書館学校の基礎となった。その後の数世紀、教会はその影響力をたえず広げようとし、寄進寄付あるいは特権によって守られた宗教的な地位を、世俗的な権力を強めるためにも活用した。

2度目のドームは、1181から1200ころにかけて後期ロマネスク様式に改築された。アルプス以北では唯一、身廊が5つあるバシリカ様式の建築でドイツ皇帝聖堂との混合形式である。一領主である司教がこのように優れた建築物を造ることができたのは、教会所有地の収入のほか、ハラインの岩塩採掘、タウエルンの金採鉱での収入によるものであった。

今日のザルツブルク大聖堂は、1628バロック様式によって建て直されたものである。ザルツブルクの歴史において最も華麗な祝典は、1628年の大聖堂の献堂式であったが、それは三十年戦争のさなかの出来事であった。イタリア出身のヴィンチェンツォ・スカモッツィ1548-1616)の設計案が廃案となり、同じくイタリア出身のサンティーノ・ソラーリオ(1576-1646)によって設計された大聖堂は、ドームの乗る大理石の双塔をもち、ペディメントをはさんで構成されたファサードを特徴とする。

多数の彫刻によって装飾され、内装はの効果をふんだんに利用しており、イタリアのバロック様式を取り入れた美しい建築で知られる。1万人もの人員が収容可能であり、大規模なミサがとりおこなわれ、また、ヨーロッパ最大のパイプ・オルガンを所蔵している。1961に設けられた聖堂の鐘もドイツ語圏では最大のものである。1959には改修を受けている。

この聖堂前を舞台に1920以来、戯曲イェーダーマン』が上演され、これがザルツブルク音楽祭のオープニングになっている。なお、この音楽祭の発案者は『イェーダーマン』の作者でもある世紀末ウィーンの文豪フーゴ・フォン・ホーフマンスタールであった。